心と心でお客さまと向き合い、自分にしかできない“接遇”を極める 運輸部下馬営業所 竹下 政秀
心と心でお客さまと向き合い、自分にしかできない“接遇”を極める 運輸部下馬営業所 竹下 政秀

工夫するから
人は成長する

現在、下馬営業所でサービス・プロバイダーとして野沢線、恵比寿線など4つの路線に乗務しています。バスの乗務員というと、「走る路線が違えど、やっていることはどの会社でも同じ」と思われるかもしれません。しかし、東急トランセのプロバイダーの特長は、お客さまに対する丁寧な接遇にあります。東急トランセの新入社員研修では、「ありがとうございます」だけではなく、「次の信号を左折致します」「揺れますのでご注意ください」など、細やかなアナウンスの技術も必須の習得要件です。一方で、道路状況に注意して運転しながら、アナウンスなどへの気配りをするのは新人には非常に難しく、入社当時の私は「ここまでする必要があるのかと思っていました。
しかし、乗務する中で、次第にその意味が理解できるようになりました。たとえば、道路の混雑時はどんなに頑張っても定刻に遅れてしまうことがあります。そんなとき、「渋滞しているから仕方がない」という態度を取るのではなく、まずはお詫びをして道路状況を丁寧に説明するなど、お客さまの立場に立ってアナウンスすることで、不安や不満を少しでも解消することができます。大切なのはコミュニケーションなのです。
また、運転も接遇もマニュアルを基本としながら、サービス・プロバイダーそれぞれの個性を発揮するための工夫が必要です。私が実践しているのは、路線の信号のサイクルを覚えて、停止と進入の咄嗟の判断を迷いなく行えるようにしたり、ご高齢のお客さまがお降りになる停留所では、出来る限り歩道との間を開けないよう配慮して停車したりなどといった工夫です。どうしたらお客様が快適に利用できるかを常に考えることで、その時々の行動に慌てることも少なくなりました。人それぞれさまざまなやり方があると思いますが、「今よりもより良くしたい」という気持ちが、多様な工夫を生み出します。

考え尽くされた教育が
東急トランセの強み

私が東急トランセに入社したのは38歳の頃です。それまではリフォーム関係の会社で屋根など高い所に上る機会が多い仕事をしており、一度転落してしまったことがあります。幸い軽い怪我ですみましたが、ちょうどその頃結婚して「家族を守る大黒柱」となったこともあり、安心と安定を求めて転職を決意。長く安心して働き続けられるバスの運転士を目指しました。
しかし、免許を取得した直後は坂道発進もままならない状態で、「自分は乗務員に向いていないんじゃないだろうか」という不安にかられる毎日。ところが入社後、座学と実技で徹底的に運転やサービス技術についての指導を受けたことで、次第にその不安が解消され、サービス・プロバイダーとなるための自信を抱くようになりました。
このように教習・研修制度が充実していることも東急トランセの大きな強みだと思います。未経験で入社した私のような者でも、プロの乗務員として勤務できるようになるための研修内容が非常によく練られているなと感心したことを憶えています。さらに、営業所に配属されてからも、経験豊富なサービス・プロバイダーの先輩がより実践的に教えてくれるので、未経験の方でも安心して職務に就けると思います。
入社直後の頃から考えると、自分も随分成長したと思います。しかし、サービス・プロバイダーという仕事には「ここまでできればもう充分」というゴールはありません。同じことを長く続けていくと、やがてマンネリを感じることがあるかもしれませんが、そこに「これくらいでいいか」という妥協が入ると成長は止まってしまいます。だからこそ私は初心を忘れず、「妥協しない心」をモットーに常に向上心を持って進化していきたいと思っています。

COLUMN忘れられない言葉
私には、今でも忘れられないお客様からの言葉があります。最後にお降りになったご高齢のお客様が、わざわざ運転席側の降車口まで来てくださり、「運転手さん、あなた本当にいい人だね。『足元にお気をつけください』と、何度もとても優しく言ってくれて」と声をかけてくださいました。更に続けて、「ずっとこのままでいてね、運転手さん」と言われ、それがとてもうれしく、その言葉を胸にお客さまへのご対応には力を入れています。
運転技術はもちろん大事ですが、一日何百人というお客様と接するので、結局は心と心だと思っています。私の接遇は、スマートと言うよりは少し泥臭く、他のサービス・プロバイダーとはちょっと違うかもしれません。しかし、これからも基本を大事にしながら、自分なりのサービスを提供できることを目指して頑張りたいと思っています。

運輸部下馬営業所

竹下 政秀MASAHIDE TAKESHITA

埼玉県所沢市出身。幼稚園から大学まで柔道の道場に通い、講道館の初段を持つスポーツマン。一方で、「スイーツ好きという意外な一面も。独身の頃はスイーツの食べ歩きをしていたが、結婚後は道具を買い集め、本格的なお菓子作りが趣味となった。今やその腕前は下馬営業所内でも評判となっている。

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